2015年8月30日日曜日

2015ねん8がつ30にち アリエルくんとアリエーヌちゃん


 ぼくのクラスメイトには、変わった名前を持っている人がたくさんいます。

 たとえば、ぼくの斜め前の席の男の子は森長イフラホモヴィチくんといいます。漢字で書くと森長意法男色淫乱くんです。彼は普通の日本人なのですが、お父さんとお母さんはどうして森長くんにそんな名前を付けちゃったのかな?くもんのみらい先生に聞いてみたら、・・・ヴィチとか、・・・スキーとかは、姓の接尾辞だから、名としては不適格じゃないかと言ってました。別にそういう問題じゃないよね。
 
 森長くんは体が大きくて喧嘩がつよくて、友達がホモとかビッチとか沢山からかうと、ブチ切れて泣きながら殴りかかってくることがあったので、みんな彼のことはそんなにからかいません。

 また、ぼくのクラスには之能有という男の子がいます。「これありえる」と読みます。となりのクラスにはアリエルくんの双子の妹がいて、之不会といい、「これありえぬ」と読みます。アリエルくんがものしずかな男の子なのに対して、アリエーヌちゃんは活発な女の子です。中国の血が少し混ざっているけど、ご両親も二人も日本語しか話せないそうです。

 アリエルくんは優柔不断で、自分が無くて、物事を断ることができません。でもやさしい性格で、人や物事のことを否定することがありません。それに対して、アリエーヌちゃんは自分の意見を強く主張しますが、すぐ人の悪口を言ったり、やたらに他人と張り合ったりします。双子なのにどうしてこんなに性格がちがうんでしょうか?でも、ある意味二人でバランスが取れてるのかもしれません。

 アリエルくんとアリエーヌちゃんは性格は似ていないけど、見た目はよく似ています。二人とも髪がちょっと栗色をしていて、ウェーブがかかっています。服装も、なんだか同じような雰囲気です。でもそれ以上に、何か根本的なところがよく似ていると思います。まとっている空気感が同じなのです。

 アリエルくんとアリエーヌちゃんが一緒にいるところを、ぼくは見たことがないから、もしかしたら二人の仲はあまり良くないのかもしれません。でも、二人はきっと一緒にいる運命にあるんじゃなかろうかとぼくはなんとなく思います。今現在の会話の有無とか、精神的な距離とかは、べつに大した問題ではないのです。

 なんだかそんな気がするのです。


 おわり。

2015年8月14日金曜日

2015ねん8がつ13にち ヤゴのすいそうにボウフラがわく

 きょうは、ヤゴの水槽について紹介します。
プール開き前のプール掃除の時に、秋冬の間にヤゴがたくさん生まれていて、希望者にはそのヤゴがもらえますよね。僕はヤゴを3匹もらって大切に育てていて、つり具屋で赤虫を買って与えてみたり、近所のドブをさらって捕まえたイトミミズをあげてみたりしていました。そのうちに、いつの間にかヤゴは、トンボになって飛んでいってしまったのか、共食いしてしまったのか、鳥か何かに食べられてしまったのかわかりませんが、水槽から消え去ってしまっていました。でも、かけておいた木の枝に抜け殻が見つからないので、もしかしたらトンボにはなっていないのかもしれません。

 しかたがないので、水槽にふたをして、そのまま放っていたのですが、きょう、水槽を見てみたら、不思議な虫が3匹ほど、くねくねと水中を泳ぎ回っていました。長さは5ミリくらいで、頭は黒く、胸に毛のようなものがたくさん生えていて、体を真ん中に折って、すごい勢いで泳ぎます。水槽の壁や、石の表面などにこびりついたエサをガリガリとこそげとっているようで、時々、息をするためか、尾の方を水面に出しています。

 最初は、センチュウとか、あるいはミミズとかの仲間かな?と思ったのですが、体節があったりして、どちらかというと昆虫の幼虫っぽいので、ウスバカゲロウとか、ユスリカとかの幼虫かな?と思いました。お母さんに尋ねてみたのですが、「やだよ、そんなキタナイもの見せないでよ」と言って、まともに取り合ってくれません。

 ネットで調べてみたら、ユスリカの幼虫は、ぼくがヤゴに与えていた赤虫のことだったそうです。だったら水槽で泳いでいる虫とはだいぶ異なります。ユスリカの、それ以外の種類の幼虫も、ちょっと違うみたいです。水槽で泳いでいる虫は、なんというか、もっと凶暴で生命力の強そうな見た目をしています。

 Googleの画像検索をスクロールしていたら、たまたま似た感じの虫を見つけました。その結果、この虫はカの幼虫であるということがわかりました。つまりボウフラです。

 カというと、血を吸われたり、マラリアとかの感染症を媒介することもあるらしいから汚いイメージがありますね。でも、カはこういうところから湧くのかと思うと、ふーんと思いました。

 ボウフラの羽化は、かかる時間がとても短いのだそうです。でもぼくは、せっかうならばこのまま育ててみて、ボウフラがカになる瞬間を観察したいと思います。

 おわり。

2015年8月13日木曜日

2015ねん8がつ12にち ネトゲ廃人のみらい先生

 きょうぼくは、日がな一日ごろごろしていました。
朝から昼は、NHKのEテレの教育番組を見るともなしにずっと見ていました。そういえば、最近いつの間にか初代ストレッチマンが終わって、ストレッチマンVという番組に変わってしまいました。ストレッチマンVは特別に好きじゃないけど、初代ストレッチマンが戻ってきて欲しいともべつに思わないかな。

 お昼ご飯をたべて(そうめんでした。そんなに好きじゃない)、お父さんの買ってきたグランツーリスモ6をずっとやっていました。お父さんは発売されたゲーム機をすぐに買ってくるので、うちにはWiiUもあるし、PS4もあるし、Xbox Oneも、あまり見たことがないのでよくわかりませんが、どこかにあるらしいです。スプラトゥーンもあります。これはぼくはあまり遊んでなくて、上の弟がよくやっているみたいです。

 ところで、ニンテンドーのゲームは、みんなで遊ぶ用のゲームが多くないですか?マリパとか、大乱闘スマッシュブラザーズとかです。でもぼくはみんな一人で遊ぶのが好きなタイプなので、あまりニンテンドーのゲームソフトとの相性はよくないとおもいます。友達の家でスマッシュブラザーズのゲームをやるにしても、大体みんなにボコられた末に、足でまといだとか言われてハブられる、みたいなパターンしかぼくは想像ができないのです。だから、ひとりでじっくりやるゲームのほうがぼくは好きです。
 
 弟はまだスマホを持っていませんが、ぼくはスマホのゲームをすることも多いです。(ぼくはスマホをこの小6の春に買ってもらったのですが、ネットのフィルタリングはかかっているし、夜はお母さんがスマホを預かることになっています)スマホゲームはお金がかからずに遊べるのがよいところです。でも、スマホがこれからどんどん進化していったら、携帯ゲーム機を含める、いままでのゲームハードは一体どうなるのでしょうか?スマホは初期費用がかからないし、手軽に遊べるし、簡単にみんなと繋がれるし、スペックも高いじゃないですか。ゲーム業界のパラダイムシフト?が起きている気がします。こんごの動向に注目したいです。

 ゲームといえばPCゲームもあります。お父さんは最近、Steamというプラットフォームを使って、PCでゲームをすることがあるそうです。また、ネトゲという言葉もよく耳にします。ぼくはやったことがないので、ネトゲがどう面白いのかはわからないです。ぼくはあまりパソコンで文字を打ち込むのがとくいじゃないし、こうやってノートに文字を書く事しかできないから、ネトゲはあまり出来ないとおもいます。

 ネトゲといえば、くもんのみらい先生は実は「ネトゲ廃人」であると、教室の中1の上級生のハシタカくんが言っているのを聞いたことがあります。ハシタカくんはメガネをかけていて、背はのっぽで、髪がくるくるの天パで短髪です。小学6年生の時に友達2~3人を集めて校舎の隅でオナって射精してみせたら、次の日クラス中にそのことが広まっていて本人は顔を真っ赤にして泣き出して、しかもそのことで上級生に散々いじめられているというウワサがあります。かわいそうですね。でも、怒って人を殴ったりしないだけ、きっといい子なんですね。

 夜ご飯をたべて(冷やし中華でした。麺類やめてほしい)、テレビを見ながらダイエットのために腹筋30回、腕立て10回、スクワット30回、壁倒立1分間を3セットやったらくたくたに疲れました。

 おわり。

2015年8月11日火曜日

2015ねん8がつ11にち くもんの先生

 ぼくは、近所のくもんという学習塾に通っています。家からあるいて5分くらいです。月曜日と木曜日、あと補講として土曜日に、くもんに通います。上の弟も通っていますが、年齢層の違いと時間割の都合で弟のほうが先に教室に行っていることが多いです。
そこの先生は30歳後半くらいのおばさんで、名前はみらい先生といいます。でもおばさんというと「おねいさんだけど?」と年甲斐もなく反論します。みらい先生は肌色が青白くて、細身です。黒縁細めのメガネをかけていて、よくムーミンとかスヌーピーのイラストの入った服を着ています。髪は長い黒髪で、それをゴムで後ろにしばっています。でも、そのゴムには、時々イチゴがついていたりハローキティがついていたりして、なんだかこれじゃ小学生みたいじゃないかと思うことがあります。

 先生は身のこなしがなんとなくのっそりとして気だるげです。外界と皮一枚で隔てられているというか、ここではないどこか違う世界を頭に思い浮かべている人のように見えることがあります。でも目力がすごいです。一度机でスマホを弄っていたら「○○くん」と声を掛けられて、前を向いたら先生がメデューサみたいなすごい目でこちらをみていて、心臓がとまるかと思いました。

 先生は机にかじりつくようにしてパソコンを操作したり、丸付けをしたりします。これじゃ目が悪くなっても仕方ないです。このように集中している時に先生に声を掛けるのは気が引けるのですが、ぼくとかほかの生徒が近づくと先生はすぐさま気づいて「なになに?」と声をかけてくれます。

 みらい先生は理工系の学科の出身らしく、時々「このまえ、New Horizonsが冥王星に最接近したでしょ?わかる?うん、そーそー、NASAがあれ打ち上げたのって2006年なんだよね。そーそー。きのう原文のサイト覗いたのね。何年もの旅をへて、すごい高精細の画像が得られたって、感動するでしょ?うん、私が東京(の)大学の研究室にいた時も...」と、なんだか難しい話をすることがあります。ばくは「ハイ、ハイ」とありがたがって聞くのですが、この(の)部分が省略されたりされなかったりするので、ぼくはてっきり先生が東大の出身者だと思い込んでいたのですが、お母さんが話すには、先生はほんとうは東京の有名な女子大の出身らしいということでした。先生はほんとは東大に行きたかったのでしょうか?(東大に行っていれば自分はこんな仕事に甘んじていることもなかったと思っているのでしょうか?)

 みらい先生は自宅の一階の、庭に面した大きな一室を教室にしています。長机が5脚置いてあって、そこにイスが3脚ずつ並んでいます。その正面に、生徒がよく見えるような配置で、先生の机や、採点のアルバイトの人のための机があります。その近くに、教材のプリントのズラリと分類分けされた棚や、貸出図書の並べられた本棚も置かれています。先生の机のすぐ右側には、四角いちゃぶ台のような机も1つおいてあって、クッションとかが置かれています。ちゃぶ台にはお菓子が置かれていて、近くの棚にはポットや紙コップ、紅茶のパックやココアの粉が置かれています。そこはいつもなぜか中学生以上の女子のたまり場みたいになっています。勉強していて時間が遅くなって、人が少なくなってくると、みらい先生はその女子生徒たちとおしゃべりしたり、ほかの生徒にも「おつかれさま~」といって紅茶やココアを入れてくれることがあります。

 夏場はクーラーを付けてくれるので、カーテンのレース越しに、陽の光にあたってゆれる庭の木の葉が見られてとても気持ちがよいです。時々そこで男子たちがなにかして遊んでいるのが見えるとぼくも混じりたくなります。

 先生の夫は何かのネット通販の管理人をしている人だそうです。みらい先生もその仕事の手伝いをしているみたいです。夫さんは時々答案の丸付けの手伝いをしに教室にフラッと顔を出します。歳は40歳前半くらいで、髪が長くて若白髪で、無精ひげを生やしています。タバコを吸うみたいで、近寄るとよくタバコのにおいがします。いつも余裕をかもしだした笑顔を顔に浮かべていて、なにを考えているかよくわかりません。でも、この人も東京の有名な私大を出ていて頭が良いんだそうです。時たま、教室の外で2人で話しているところを見ることがありますが、みらい先生が話すのを、先生の目を見てタバコをくゆらせながら、余裕の笑顔でうんうんと聞いています。

 二人の間にはこどもはいないみたいです。でも二人とも別にそのことについて何も言うわけでもないし気にしていないみたいだし、特段ぼくがなにかを言ったり考えたりするような問題でもないと思います。

 今日もほんとうは国語のプリントを5枚、数学のプリントを10枚(中2レベルのものをやっているので算数ではなく数学です)、あとは英語の本(まだプリントに入っていないのです)を10ページ進めなければいけないのですが、めんどくさくてほったらかしてます。でもやらないと絶対先生いい顔しないです。嫌だなあ。でも、生徒が宿題をやってこなくて、いい顔をする先生がいたらそれはぜったい先生として問題がありますよね。

 おわり。

2015ねん8がつ10にち キョウリを育てる

 ぼくはきょう、朝起きてまず、庭に植えてあるキュウリの観察をしました。
 

 キュウリは庭の、よく日のあたる場所にプランターで植えてあって、支柱に茎が絡みついて葉っぱが生い茂っていて、黄色い花がたくさん咲いています。実もかなりつきはじめました。これはぼくが植えたものではなくて、お父さんがいつの間にか苗から育て始めていたのです。よくある小学校用の小さいプラスチックの鉢植えではなくて、ホームセンターで売っている30リットルくらいの大きなプランターで育てているので、育ちがすごくよいのです。

 黄色い花には、朝日を浴びてミツバチやカナブンたちがぶんぶん飛び回ってきます。この住宅地のどこに、こんなに虫が住んでいるのかぼくは不思議です。近くの森とか公園から飛んでくるのでしょうか?ミツバチがいるということは絶対に巣がどこかにあるはずですが、ぼくはミツバチの巣というものを見たことがありません。スズメバチの巣なら、よく学校や公民館や博物館に展示してあるので(なんであんなものが展示してあるんだろう?)よく見ますが、それは、見つかったとたんに危険だから巣ごと駆除されてしまうからですよね?ミツバチの巣はどうなんだろう?ミツバチの巣からはハチミツが取れるから、駆除したらハチミツも食べられて一石二鳥じゃないでしょうか?

 ミツバチの後ろ足には黄色い塊が2つついています。これは花粉団子といって、ミツバチの重要な食料となるのです。こんな栄養を分け与えるなんて、キュウリも気前がいいですよね。でもそのかわり、ミツバチはキュウリの花粉を運んでくれるのです。だから、お互いに利益があるのです。

 あと、キュウリの花のみつを吸おうと思って花をがくから抜くと、かならずみつのあるところから、小さくて(5ミリくらい)細い虫がたくさん出てきます。これがあるからキュウリの花のみつは吸えません。

 ぼくはキュウリを観察したあと、十分大きくなっている実を一本、ねじって取って、庭の水道で洗って食べました。庭でとれたきゅうりはボツボツがくちに引っかかっていたいし、味も普通に売っているやつのほうがおいしいけど、でもただでとれたキュウリだからお得な気分です。でも本当は、キュウリを育てるためにかかったお金と労力があれば、普通に育てるよりずっとたくさんのキュウリがスーパーなどで買えるのです。ではなぜわざわざこんなに苦労して(ぼくは見ているだけだけど)、それほどおいしくもないキュウリをそだてているのでしょう?

 それはきっと、植物を育てることによるリラクゼーション効果とか、こどもの教育とか、冷却効果や夏場に部屋にさしこむ日の光をさえぎる効果、家の景観を良くすること、などの役割があるからでしょう。だから、美味しいキュウリがなるのかどうかの問題は、あくまで二の次なのです。

 でも、どうせなら美味しいキュウリがたくさんできたほうがうれしいと思いました。それに、本当はおいしくなくても、自分でつくったキュウリなら、いつの間にかおいしく感じてくるかもしれません。

 おわり。

2015年8月9日日曜日

2015ねん8がつ8にち 八木山ベニーランド

 ぼくはきょう、家族といっしょに八木山ベニーランドに行きました。


 「ヤンヤンヤヤーンやぎやまのー」という歌が面白かったです。(そのあとの歌詞はわすれました)

 ベニーランドに行くのは3度目です。1度目はぼくがまだ5歳の時です。あまり覚えていませんが、僕はジェットコースターに乗った時にすごく怖がって、あばれて叫んでおしっこをもらして、ギャアギャア泣きわめきながらジェットコースターをおりて、お父さんに担がれてそのままトイレに直行したんだそうです。さすがに今のぼくでは考えられません。

 2度目は小3のときです。小学校の遠足で、夏の暑い時にいきました。児童は帽子を持ってくるように言われていたのですが、ぼくはお母さんの持たせてくれたはずの帽子をいえに忘れてきてしまい、しかたがないので担任のお姉さんの先生のタオルを頭にのせて遊園地を回りました。そのタオルからはけっこういい匂いがしてぼくはひそかに興奮してしまい、タオルのはしをしゃぶりまくってびろびろにさせてしまいました。先生ごめんなさい。

 そして3度目がきょうなのです。本当は朝の9時には家をでるはずだったのですが、お父さんがなかなか起きず、お母さんが「太り過ぎとか塩分とりすぎ病で死んでるかもしれないから起こしてきて」と怖いことをいい、ぼくが寝室まで行くとお父さんはもう起きていて、洗面所で歯を磨いていました。

 結局10時過ぎになって、家族5人(ぼく、弟二人、両親)でベニーランドにいきました。駐車場はとても混んでいて、お父さんは「なんなんだよー」とあえぎながらハンドルをぐるぐる回して車を停めました。お母さんは「あんたたちこれつけなさい」といって僕たちはぼうしをかぶりました。僕のぼうしはまるいやつで、首に白いゴムがつくやつです。でもゴムをつけるのはダサいなと思ったので、ぼくはゴムを中にしまってかぶりました。

 園内は家族連れでとても混んでいました。日陰にある売店にはいってみると、天井のちかくの壁にサインの書かれた色紙がたくさん置かれていました。ベニーランドでは映画の撮影が行われることがあって、この前も映画の撮影があったのだそうです。

 ぼくたちはゴーカートに乗ったりバイキングに乗ったりして遊びました。楽しかったけど、むかし来た時よりも迫力が足りない気がして、ぼくも成長したのかなと思いました。学校とかの知り合いがいないかなと思ってさがしましたが、誰も見つかりませんでした。ぼくは、売店でジュースを買った時のレシートを折り紙の紙飛行機みたいにして、お母さんとお父さんに見つからないようにして、高い丘のところから飛ばしたりしました。

 お昼ご飯を食べて、ぼくと弟はベニーランドで一番大きいジェットコースターに乗ることにしました。お父さんとお母さんは下から見てるからがんばれと言われました。一番下の弟もまだ小さくてジェットコースターに乗れないので、下で待つことになりました。

 ぼくと弟は順番待ちをしているあいだ、指で一をつくって、相手の指を叩いて数を増やして、5になったら消えるやつをやってりして遊びました。30分ほどまって、ようやく自分たちの番になりました。心臓がどきどきいっているのがわかりました。

 ジェットコースターはがたがたと坂を登っていき、ものすごく高いところまで行き、ゆっくり頂上まで登りきり、そしてものすごい速さで落ちていきました。ぼくは全身が無重力状態になったみたいになって、どうにかなりそうな感覚におそわれました。隣にいる、いつもは泣き虫の弟は何も言いません。そのままジェットコースターはすごい速さで曲がったり登ったり降りたりしました。ぼくは、両親たちがぼくたちのことちゃんと見ているか気になったのでずっと探しましたが、一瞬下から見上げるお父さんとお母さんの姿が見えてうれしくなりました。途中、ジェットコースターが池の上を通る時に、ぼくのぼうしが風で外れてしまい、そのままどこかへ落ちてしまいました。ゴムひもをちゃんと付けていなかったのがいけなかったのです。ぼくは「あーっ」と思いましたが、ジェットコースターはそのままずっと進んで行きました。

 ジェットコースターからおりて、僕たちは両親たちのところへ戻りました。弟が突然「わー」とものすごい声で泣き出してお母さんにしがみつきました。お母さんは「えーなに」と言っていました。ぼくはお父さんに「ぼうしはずれちゃった」と言いました。お母さんは「えーっどこに」と言いました。「池の上のあたり」お父さんは「係員さん呼ぼうか?」と言いましたが、ぼくは「いい」と言いました。

 なぜなら、ぼうしを落としてしまったのはぼくがゴムひもつけていなかったのがいけないんだし、風で飛ばされて見つかるかもわからないし、それに、本当はあの帽子があまり好きではなかったからです。本当に好きなぼうしなら、ちゃんとゴムひもをつけているか、ジェットコースターに乗っている間はポケットにしまったりしていたのです。あのぼうしは、ただお母さんが「つけなさい」と言っていたから、仕方なくつけていただけなのです。でも、なんだかさびしい気持ちと申し訳ない気持ちがあったので、道を歩いている間にキョロキョロとぼうしを探しましたが、結局ぼうしはみつかりませんでした。

 夕方になって、ぼくたちは帰ることにしました。その途中の道で、ぼくの弟と同じくらいと年の男の子とすれ違いました。そして、なんと、その男の子の持っていた紙飛行機は、ぼくが昼ごろに丘の上から飛ばした紙飛行機なのでした。ぼくはなんだか不思議な感じがしました。

 帰り道に、ぼくたちは仙台城跡に寄りました。伊達武将隊という人たちが色んな事をやっていたので、ぼくたちは前の方でその人たちを見ました。とちゅう、スーツに蝶ネクタイきた人たちが入ってきて、合唱をしてくれました。お母さんは「指揮を振っている子がかっこいい」と言っていました。その舞台も終わってしまったので、ぼくたちは家に帰りました。

 おわり。

2015年8月6日木曜日

2015ねん8がつ5にち 仙台七夕花火祭り

 ぼくはきょう、ともだちの山田くんと田山くんといっしょに、仙台七夕花火祭りにいきました。



 ゆうがたごろに山田くんから「花火行かね笑 きみおごりね笑」とラインがきて、おごるのはやだなと思ったけど、山田くんも田山君もイケメンでかっこいいので、二人と花火に行けるのはとてもほこらしいことだし、もしかしたら、ふたりのおこぼれにあずかって、ぼくもクラスのじょしと仲良くできるかもしれないぞ、ウシシ、と思ったので、「いいよ。」と返事をしました。

 ぼーっとしていたら、いえのドアがどんどん叩かれたので、二人がきたんだなと思い、このまえお父さんに買ってもらった、真新しくてぴかぴかの野球帽を被って、うきうきして外に出たら、田山くんがドアのまえにいて「よお」といいました。ぼくは口の中でなにかごにょごにょ言いましたが、なんだかうまく言葉になりませんでした。山田くんは自転車にまたがっていましたが、「帽子かっこいいじゃん」と言ってくれたので、ありがとうと口の中でごにょごにょ言って、うつむいてにっこりしました。山田くんは「チャリとめさせてもらうね」といってぼくの家の庭に自転車を停めました。そして田山くんと山田くんが二人で街中へあるいていき、ぼくはふたりの間から顔をだすようにして、そのうしろについていきました。

 なだらかな坂道をのぼって、とうほくだいがくの川内キャンパスにつきました。花火の打ち上げ場所は、そのすぐ近くの川内はぎホールの敷地内なので、ここからだと、すく近くで花火がみれるそうです。とうほくだいがくは、すごく頭のいい大学なので、インテリ特有のプライドの高さと、汚れたものを一切排除する上品さがキャンパスからにじみ出ていて、山田くんも田山くんも、ちょっときんちょうした面持ちにみえました。

 山田くんと田山くんは二人で相談していました。山田くんはスマホをいじくって、なにか調べていました。ぼくにはよくわからなかったけど、キャンパス内は大学関係者以外立ち入り禁止と書いてあるし、屋台もないから、下の観覧会場に行こうとはなしているようでした。

 田山くんがぼくに、「花火の打ち上げ現場に乱入してこいよ」といいました。ぼくはだまっていました。山田くんが「はやくいけよ」といってぼくの頭をバンと叩きました。全然いたくなかったのでぼくはへいきでしたが、なんだか胸が苦しくなって、なみだがでそうになりました。「没収」といって、山田くんがぼくの野球帽をヒョイと取りあげました。ぼくは手をのばしましたが、山田くんは体は細いけど力が強いのでとりかえせません。「〇〇ちゃんみてるよ」と山田くんはいいました。
 
 〇〇ちゃんはぼくが好きな女の子のことです。ぼくはそのことを二人に、ずっとからかわれています。〇〇ちゃんは、ぼくによく話しかけてくれて、かわいくて元気で活発な女の子なので、ぼくは〇〇ちゃんのことが好きです。でも〇〇ちゃんは、山田くんとも仲が良いです。〇〇ちゃんはぼくと話すときは、よく「かわいい、かわいい」といってくれるので、ぼくは顔を真っ赤にします。でも山田くんと話すときは、ちょっとおとなっぽくなって、山田くんも〇〇ちゃんを名前だけで呼ぶし、「なんだか夫婦みたいだなあ」と思うことがあります。でも、山田くんには「かわいい」といわないので、〇〇ちゃんは山田くんのことは友達みたいに思っていて、ほんとうに好きなのはぼくのことだけど、恥ずかしくて言えないのかな、とおもいます。

 「ここで男をみせろ」と田山くんはいいました。山田くんも「ここでやれば〇〇ちゃんきみのこと好きになるよ」といいます。〇〇ちゃんはここにいないから、二人の言ってることはでたらめです。でも、この帽子はお父さんに買ってもらったとても大切なものだから、ぜったいに返してもらわなきゃいけません。どうすれば帽子を取り返せるかわからなくて、二人が怖かったので、ようしと思って、警備員さんたちのたくさんいる、打ち上げ場所のほうへ向かっていったら、田山くんが「馬鹿、やめろ」といって、半笑いしながらぼくを腕を強く掴んで引き戻しました。山田くんは「ほんとに行かせるわけないじゃん。あーあ、〇〇ちゃんがかなしむ」といって、ぼくの帽子をわざわざ地べたにペタンと叩きつけました。

 ぼくはその野球帽をみると全身が粟立つ思いがしました。僕のことを殴ったり叩いたりしても構わないし、どんなに僕のことをからかったり、悪く言ったりしても耐えられるけど、僕のお父さんが買ってくれた帽子をこのように扱われるのは、ほんとうに悔しくて、涙がでました。ぼくをいじめるのに、〇〇ちゃんを引き合いに出すのも、〇〇ちゃんが迷惑だからやめろとおもいました。

 ぼくが二人にいじめられていることは、自分でわかっているけど、ぼくはそのことで両親を悲しませたくないから、家ではなんでもないように振る舞っているのです。でも僕の帽子は、僕のお父さんの思いが詰まっているから、その帽子を足蹴に扱うことは、ぼくのお父さんを侮辱していることなります。山田くんは、そのことの意味をわかっているのでしょうか。〇〇ちゃんが、本当は山田くんのことを好きなのも、なんとなくわかるけど、ぼくをいじめるのに、〇〇ちゃんを引き合いに出すのは、〇〇ちゃんの名前を汚していることにならないでしょうか?山田くんは〇〇ちゃんにたいして申し訳ないという気持ちはおこらないのでしょうか?

 でも、いっぽうで、山田くんは田山くんにとても優しくて、田山くんにとっての一番の親友は山田くんだし、山田くんはあまりともだちのいないぼくのことをよく遊びにさそってくれるし、遠足とか、学校の旅行とかの班分けでも、ぼくを仲間にいれてくれます。山田くんはサッカーが上手で、下手なぼくに、ドリブルのしかたやボールの蹴り方を教えてくれるし、いっしょにサッカー教室に行こうとさそってくれたりします。バレンタインデーには、山田くんは女子からチョコレートとか手紙とかをたくさんもらうし、おこぼれでぼくも友チョコをもらえます。山田くんのお母さんは綺麗な格好をしていて美人で優しくて、いえに遊びにいくとおしゃれなグラスに入った飲み物をくれるし、いつも笑顔でぼくにはなしかけてくれます。ともだち何人かで映画に連れて行ってもらったこともあります(ベイマックスをみました)。
 
 それに、〇〇ちゃんは山田くんといると、いつもとても嬉しそうにニコニコしています。

 山田くんはぼくをいじめるけど、いいことも沢山してくれるし、山田くんの周りのひとはみんないい人なんです。ぼくは山田くんにはぜったいにかなわないと思うし、山田くんのことを考えると吐き気がして頭が真っ白になってなにも考えられなくなるけれど、同時に尊敬してもいるのです。よい山田くんとよくない山田くんがぼくのなかに混在して、ぼくはどうすればいいのかわからないです。

 けっきょく、ぼくは山田くんが投げ捨てた野球帽をかぶり(帽子はほとんどきれいなままでした)、丘を下って観覧会場で三人で花火をみました。田山くんはスマホでぼくと山田くんのしゃしんを撮ってくれて、あとでLINEでぼくにおくってくれました。ぼくはそれをみると、胸のつまるような気持ちになると同時に、どうしたって、山田くんと2人で写真に映っていることの優越感と誇らしさをかんじてしまうのでした。

 おわり。