2016年1月31日日曜日

2016年1月31日 雪に仰向けになる

 いまのぼくの机は、教室のいちばん右の列の2番目です。すぐ目の前に石油ストーブがあって、顔がほてって頭がぼーっとして、勉強に集中できない気がします。そういうときは、水道の水で顔をバシャバシャ洗うと、なんとなく目がさめるような気がします。顔をふく時は服でふきます。本当は、お母さんが用意してくれるハンカチを使わなければいけませんが、めんどくさいのでほとんど使ったことがありません。

 学校の冬の水道の水はすごく冷たいです。ちょっと水に触れるだけで、手が冷えて真っ赤になります。その、ものすごく冷えた手を自分の服の中に突っ込むと、自分の体なのに手がほかの人のものみたいに冷たく感じられます。またその手のほうは、じわーっと血が上ってくるみたいにあったかくなるような感じがして、面白いのでよくやります。

 最近はよく雪が降ります。「今年は暖冬だから全然雪降らないかもね」とお父さんは言っていましたが、ちゃんと降ったので安心しました。雪が降ると、ぼくのお父さんは時々外に出て、雪かきをします。うちの前の道は日陰になっていて、積もった時にちゃんと寄せておかないと、すぐに踏み固められて凍ってしまい、車を出す時とか、歩いて家に入る時に大変なのです。

 土曜日の昨日は、午後に家でボケッとWiiU(スプラトゥーンを一人でやります。ときどき弟と対戦します)をしていると、お母さんに「暇だったら雪かきしてよ」と言われて、ちりとりの大きくなったような道具を渡されました。ぼくは「めんどくさいなあ」と言いながら、寒かったので、フリースを着て、 手ぶくろ(毛糸のもの)をはめて、外に出ました。

 家の外では、大粒の雪がまだどんどん降っていました。雪は15センチくらい積もっていました。外は、なんとも言えない、アスファルトの冷えたようなにおいがしました。外の道路は、車の出入りはほとんどありません。家の中から、外の道路へ抜ける道に、足あとが何列かついています。たぶん、お母さんがつけたんだろうなと思いました。外の道路は、車のタイヤのあとはいくつかありますが、その茶色いあとの上にも、薄く雪が積もっていました。

 ぼくはまず、家の玄関から、外の道路までの道をつくりました。家から道路までは5メートルくらいあります。雪は重くて、キシキシと音を立てます。それを跳ね上げようとして上に持ち上げたら、雪は山なりに飛んで、ぼくの体にかかりました。それを振り落としながら、雪をはじによせていきます。

 つけている手袋は毛糸のものなので、すぐに雪がとけてしみだしてきて、手はすぐに冷たくなります。また、靴の中にも雪が入り込んで、靴下はすぐにびしょぬれになります。道路に積もっている雪を全部かいてしまおうと思いましたが、何度か、その大きなちりとりみたいなものをソリのようにして道路のまわりの雪を分けていたら、すぐにつかれてしまい、それにこんなにたくさんの雪をぜんぶどかせるわけがないと思ったので、道路のみぞ(中はチョロチョロと水が流れています)に雪をつめたり、雪玉(玉というより、卵焼きみたいになります)を作ったりして遊びました。

 そうしたら、外がだんだん暗くなってきました。また、手袋も濡れっぱなしで、手の感覚がなくなるくらい寒くなってきました。ぼくは、道路の真ん中に仰向けに寝転んで、空を見ました。空は暗くてくもっていて、大きな雪がその日の光をさえぎって、灰色になって自分の顔につもっていきます。ぼくは口を開けてその雪を食べながら、このままずっとこうしていたら、このまま自分は雪に埋まってしまうのかな、それとも顔の部分だけは暖かいから積もらないのかな、と考えました。

 だんだん日が暮れてきたので、結局ぼくは雪から抜け出して、自分のいた場所が自分の大の字になっていることを確認してから、ちりとりみたいなものを家のドアの横に立てかけて、家の中に入りました。ぼくは洗面所でフリースを脱いで手袋と靴下を洗濯機に入れました。手と足は真っ赤になって、家の中が暖かいのでジンジンします。お湯をだして手を洗うと、手がまだ冷たいので、「あちっ」というほど、とても熱く感じました。

 リビングでは、お母さんが夕食のしたくをしていました。「これ食べていいよ」と、バターロールの袋が置いてあったので、それを開けて食べていると、作業着姿のお父さんが帰ってきました。鼻を赤くして、メガネに水滴がついてくもっています「外の雪かきやったんだよ」というと、「えらいじゃん」と言っていました。ぼくはそのまま疲れてリビングに敷いてある布団で寝てしまい、7時過ぎくらいに起きて、テレビを見ながら家族でカレーを食べました。

 つかれた1日でした。


 おわり。
 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿